先日、ちょっと気になるニュースを目にした。
デンマークが定年年齢を67歳から70歳に引き上げる法案を可決したという内容だ。

高齢化社会と労働力不足を背景に、いよいよ「定年」という概念が世界中で見直され始めているのかもしれない。
一方、アメリカやオーストラリアにはそもそも定年という制度自体がない。
日本では当たり前に思われている定年だけど、世界では決してスタンダードじゃない。
今回は、そんな「定年」という制度をテーマに、定年がある国とない国の違い、そしてそれぞれのメリット・デメリットを整理してみた。
欧州諸国には今も定年制度がある
デンマークだけじゃなく、ヨーロッパの多くの国には公的年金制度とセットになった「法定定年」がある。
フランス:62歳から64歳へ引き上げ(これで大規模デモになったのも記憶に新しい)
ドイツ:2031年までに67歳へ段階的に引き上げ予定 イタリアやスペインも同じ流れ
つまり、欧州では「定年=年金受給開始」と捉えられていて、制度としてガッチリ組み込まれているわけだ。
アメリカやオーストラリアには「定年」という考え方がない
アメリカやオーストラリアでは法律で定年を設けること自体が禁止されている。
アメリカでは「年齢を理由に解雇してはいけない」という法律があり、働きたい人が能力さえあれば何歳でも働き続けられる。
つまり、「辞めるか続けるかは自分で決めろ」というスタイルだ。
オーストラリアも同様に、定年という考え方がそもそも存在しない。
定年がある社会のメリット・デメリット
メリット
若手を登用しやすく、組織の新陳代謝が進む 年金と連動したキャリアプランが立てやすい 経営側にとっては人件費計画がしやすい
デメリット
やる気も能力もある高齢者が一律で退職させられる ノウハウや技術が会社に残らない 「辞めたくないのに辞めなきゃいけない」という悲劇が起きる
定年がない社会のメリット・デメリット
メリット
実力があれば年齢に関係なく働ける 働き方や引退のタイミングを自分で決められる 社会保障の支出を抑えることにもつながる
デメリット
ベテラン社員が辞めず、若手のチャンスが減る 企業にとっては退職時期が見えにくく、人事管理が難しい お金のために働かざるを得ない高齢者が増えるリスクもある。
日本は今、転換点にいる
日本でも「70歳までの就業確保」「生涯現役」「人生100年」といった言葉が飛び交っているが、実際には制度と現実にギャップがある。
一律の定年制度から、選べる引退制度へと転換していく必要がある時期にきていると思う。
定年は必要か?それとも自由にすべきか?
「定年がある国」と「ない国」、どっちが正解という話ではない。
大事なのは、一人ひとりが自分の生き方に合わせて働くか引退するかを選べるかどうかだ。
企業側にも、国にも、そして働く側にも、それぞれにとって最適なバランスをどう設計するかがこれからのカギになる。
というわけで、今回は「定年」というテーマで世界の制度を比較してみた。
働くこと、引退すること、それぞれの価値観が多様化する今、改めて考えてみる価値はあると思う。
そういう私もこの問題についていずれ答えを出さなければならない。
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