25歳の春。私は大学を卒業し、新社会人として東京で働き始めた。2003年のことだ。最初の赴任地は日本橋。葛西から東西線に揺られて毎日通勤していた。あれからもう20年以上が経つが、当時の満員電車の記憶はいまだに鮮明だ。
とにかく、満員電車が「耐え難かった」。
私の通勤ルートは葛西から日本橋までの往復。わずか30分程度だったが、あのギュウギュウの車内に毎朝毎晩押し込まれる日々は、正直言って“地獄”だった。あれが1時間通勤になっていたらと思うと、今でも背筋が凍る。
結婚して家庭を持つようになれば、都心から離れた埼玉や千葉の郊外に住むことになるのが現実だった。給料も高くはない。都心に住める余裕などなかった。満員電車で片道1時間以上かけて通勤する未来が、目に見えていた。
そんな生活に、私は適応できなかった。
転職と地方移住という人生の転機
そんな私が転機を迎えたのは30歳目前の頃だった。東京での5年間に区切りをつけ、静岡への転職を決意したのだ。
それからもう17年。私は静岡の地方都市で暮らし続けている。結論から言えば、「あのとき移住して本当によかった」と心から思っている。
地方暮らしでQOLは爆上がりした
今の通勤は徒歩圏内。ラッシュのストレスとは無縁だ。通勤自体が軽い運動になり、健康にもいい。何より、心が穏やかになった。
人は多すぎず、少なすぎず、ちょうどいい。スーパーも病院も近くにある。自然もすぐそば。山も海もある。空気は澄んでいるし、水も美味しい。家のベランダから見える景色には四季が感じられ、夜には星が見える。
東京のように常に人混みにさらされ、気を張っていないと飲み込まれてしまうような街とは、まるで別世界だ。
それでもなぜ若者は東京を目指すのか?
若者が東京に憧れる気持ちが分からないわけではない。情報も仕事も人脈もチャンスも、すべてが集中している。しかし、同時に「生きていくコスト」も桁違いに高い。
家賃が高い 通勤が長い 食費や光熱費も高い 休まる場所がない
そして今、首都直下地震や富士山噴火のリスクも現実味を帯びてきている。だが、省庁すら地方移転を真剣に進めようとしない。
これはもう、「東京信仰」とでも言うべき思考停止ではないかと思う。
地方には、人が生きるために必要なものがすべてある
私が17年間暮らしてきて感じるのは、地方には「人間が心豊かに生きるために必要な環境」がすべて揃っているということだ。
都市の便利さや刺激は確かにある。だが、それを享受するために何を失っているのか? 健康? 時間? 心の余裕?
地方には地方の良さがある。もっと多くの人がその価値に気づけば、日本社会も少し変わっていくかもしれない。私自身は、もう東京で暮らすことは想像できない。
結びに:東京で疲れたあなたへ
都会の喧騒に疲れたなら、いったん立ち止まって考えてみてほしい。
本当に「東京」でなければならないのか?
あなたの人生に必要なものは、すでに地方にあるかもしれない。
私は17年前にそれに気づき、今もその選択を後悔していない。
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