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増税か?減税か?──私がどちらも素直に支持できない理由

日本ではいま、「増税」か「減税」かという二項対立の議論が激しくなっています。

しかし、私自身はこの問いに簡単には答えが出せず、強い葛藤を感じています。

それは、どちらにも一理あるからです。そして、どちらにも大きなリスクがあるからです。

■ 増税に違和感を感じる理由

まず、現在の政府のスタンスに対して、強い違和感があります。

2024年度の日本の税収は過去最高を更新しました。インフレにより名目GDPが膨らみ、消費税も所得税も法人税も税収が自然に増えています。これは「実質的な増税」といってもいい状況です。

にもかかわらず、さらに増税の議論が出てくる。

これはおかしいのではないかと思うのです。

なぜなら、歳出──特に社会保障費──が制御されていないから。

支出の見直しを一切せずに「もっと取ります」という姿勢では、納得は出来ません。

これまでの自民党政権は、この構造的な課題に正面から向き合うことなく、ずっと先送りしてきた。私はその事実に強い不信感を抱いています。

■ かといって減税にも踏み切れない理由

一方で、野党(とくに国民民主や維新)が掲げる「消費税減税」路線にも、私は素直に賛同できません。

なぜなら、それはあまりに危うい賭けだからです。

仮に消費税を2〜3%引き下げたとしましょう。

その場合、日本の財政赤字は一気に拡大します。債券市場はどう反応するでしょうか?

おそらく長期金利は跳ね上がり、円は売られ、輸入物価がさらに上昇。

いわゆる「コストプッシュ型インフレ」が進行し、庶民の生活はますます厳しくなります。

つまり、消費税を下げて喜ぶのは一瞬。すぐに副作用が家計を直撃するという悪夢もありうるのです。

■ では、どうすればいいのか?

これはとても難しい問いです。

私は「増税も減税も、どちらかが正しい」とは思いません。

どちらも目的ではなく、手段であるべきです。

大事なのは、「どうすればこの国の財政と社会保障を持続可能にできるか」です。

そのためには、

  • 歳出の徹底的な見直し
  • 医療・年金制度の効率化と給付と負担のバランス再構築
  • 経済成長による税収の自然増
  • 現役世代・氷河期世代への重点支援
  • ポピュリズムではない現実的な選択

こういった地味で骨の折れる改革が不可欠です。

でも、それを真正面からやろうとする政党が、今の日本にどれほどあるでしょうか。

■ 今、私はどの政党を支持すべきか?

正直、増税を掲げる与党には強い不信感を抱いています。

でも、安易な減税を唱える野党にも警戒心がある。

私はおそらく、「責任ある財政保守」であり「改革志向の中道右派」なのかもしれません。

その視点で見れば、まだ日本維新の会や国民民主党の一部政策には共感できる部分もあります。ただし、無条件で支持するには不安も大きい。

自民党の若手の中にも、わずかですが志ある改革派は存在しています。

結局、政党というよりも、具体的な政策と、そこに信念を持って向き合う個々の政治家を見ていくしかないのだと思います。

■ 終わりに

私たちが今直面している財政の問題は、「何かを選べば何かを失う」というゼロサムゲームです。

だからこそ、耳障りのいい言葉ではなく、痛みを伴ってでも信頼できる道を選ばなければなりません。

増税か?減税か?

その問いに、私はいまだに明確な答えを持てずにいます。

ただひとつ言えるのは、これ以上の「先送り」だけはもう許されない、ということです。

\ 読んでくださりありがとうございました /

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