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【若手社員の育成は難しい】「なぜ自分だけ海外出張に行けないのか?」と涙する部下に思うこと

社会人2年目、23歳の若手社員。

我が課のメンバーの中でも、頑張り屋ではあるが、ややメンタルに不安を感じる彼女。実際、1on1面談ではよく涙を見せる。

以前の面談では、突然こんな問いかけをされた。

「どうして私だけ、海外出張に同行させてもらえないのですか?」

涙ながらに訴える姿に、少し面食らった。

どうやら同期の何人かはすでに海外出張デビューを果たしており、自分だけが取り残されていると感じたようだった。

私は冷静にこう伝えた。

  • 海外出張は修学旅行ではない 明確な目的があり、それに見合った成果が求められる
  • 出張後には報告書も求められるし、通常業務も止まる
  • 行かせる以上、相応の戦力として期待されている

単なる経験値稼ぎとしての「同行」は、コストに見合わない。そう説明したが、彼女は納得したのかどうか…。

「残業を制限されていて成長できない」と訴える彼女

最近ではこんな主張まで。

「残業を20時間以上させてもらえないせいで、成長の機会を奪われている」

私は最初、正直キョトンとした。

彼女のロジックはこうだ。

「制限なく残業している同期は、その分多くの業務経験を積めている。

3年後に差がつくのではないか…」

彼女に私が伝えたのは次のようなことだった。

  • そもそも、今のあなたには20時間超の仕事は与えていない
  • 時間内でどう仕事を終わらせるかを考えてほしい 残業規制は健康管理の一環であり、保護のためでもある
  • 今の会社は「長時間労働=評価」ではない むしろ効率の良い働き方を重視する風潮が強い
  • 私自身の評価軸も、「短時間でどれだけ成果を出せるか」に置いている

問題の本質は「他者比較依存」

ここまで話して、ふと思った。

問題の本質は「出張」や「残業」の話ではないのかもしれない。

おそらく、彼女の内面にあるのは「周囲と比べて、自分が劣っているのではないか」という強い不安感だ。

同期は出張しているのに私はしていない 同期は遅くまで頑張ってるのに私は早く帰っている

このように、常に「他人の物差し」で自分を測っている。

これは非常に危うい傾向だ。

競争意識は決して悪いものではない。だが、それが過度になるとメンタルを病む。

場合によっては、心理的ケアやカウンセリングの対象なのかもしれないとも感じる。

本人にその自覚はないかもしれないが、職場は治療の場ではない。

人材育成の難しさを実感する日々

若手を育てるというのは、本当に難しい。

単にスキルを教えれば良いわけではない。

マインドセットや価値観、働く上での姿勢そのものにアプローチしなければならない。

だが、一歩間違えればパワハラ認定されるこの時代。指導には細心の注意が必要だ。

心を折らず、でも甘やかさず。まさに綱渡りのようなバランス。

それでも、部下が少しずつでも成長してくれることが、上司にとって最大の報酬であることに変わりはない。

まとめ

「他人と比べるな」と口で言うのは簡単だ。

でも、それができる人は意外と少ない。

私自身も若い頃はそうだったのかもしれない。

だが、いま上司という立場になって感じるのは、比較の先にあるのは自己否定か、根拠なき自己陶酔か、そのどちらかであることが多い。

本当に大切なのは、「昨日の自分」と比べてどうか、だ。

若い彼女にも、いつかそのことに気づいてほしいと願っている。

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