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就職氷河期を生き抜いた世代が、いま再びリストラの標的にされている

かつて「リストラ」といえば赤字企業の苦肉の策、というイメージが強かった。経営が傾いた企業が、人員を整理し、事業のスリム化を図るために実施するもの。だが、ここ最近の日本企業、特にいわゆるJTC(Japanese Traditional Company:歴史ある大企業)では、「黒字でもリストラ」という、まさに価値観を根底から覆すような動きが顕著になってきている。

たとえば記憶に新しいのが、パナソニックの1万人規模の人員削減。これに続いて、富士通やNEC、日立なども過去数年にわたり黒字でありながら希望退職を実施してきた。中にはまだ業績が堅調にもかかわらず、中高年社員に退職を促すような動きもあり、「もはや業績は関係ないのでは?」と思ってしまうほどだ。

かつてのリストラは「経営再建のための苦渋の決断」だった

思い返せば、たとえばバーバリーブランドを失い経営危機に陥った大塚商会(※現在は再建済み)も、店舗の再編やブランドの絞り込み、人員整理などを実施して難局を乗り越えたケースの一つだ。当時は本当に「生き残るため」のリストラだったと感じる。

また、現在もニュースで取り上げられている日産の再建もしかり。こちらは明らかに業績悪化と巨額赤字が背景にある。従来型の「正統な」リストラと言えるだろう。

しかし、いま標的にされているのは40代・50代の中年社員たち

今回のような黒字リストラで特に槍玉に挙げられているのは、40代以上の中年社員たちだ。

これはまさに私のような世代が直撃する話だ。

私たち就職氷河期世代は、本当に受難の世代だったと思う。大学入試では苛烈な受験戦争をくぐり抜け、就職では採用枠が極端に絞られた氷河期をなんとか潜り抜けて、低賃金・長時間労働を当然のように受け入れて働いてきた。

それなのに――最後には「あなたはもう不要です」と言わんばかりに、人員整理の対象にされる。

これほど無念なことはない。

私の会社は大丈夫か?明日は我が身の心構えを

私が勤める会社も、世間的には安定した大企業と見られている。今のところ大規模な人員整理の話は出ていないが、それも「今のところ」にすぎない。

企業の業績次第で、何が起こっても不思議ではない時代になってしまったのだ。

もちろん、いきなり「首を切られる」ようなことはないにせよ、希望退職という名の事実上の選別が行われる可能性は常にある。

例えばパナソニックの例では、割増退職金が4000万円(50歳社員の場合の推定)にもなるとも言われているし、再就職支援などもパッケージに含まれるだろう。

だが問題は金額の多寡ではない。

「プライベートさえ犠牲にして耐えに耐えて勤め上げてきた職場から、最後には不用品のごとく捨てられる」

という現実が、精神的にどれほどの打撃を与えるかという点だ。

手に職のある人間は強い。では、私だったらどうするか?

よく「スキルがあれば再就職も簡単」と言うが、それが40代・50代の現実とどれほどマッチしているかは疑問だ。たとえどれだけ経験を積んでいようと、職種によっては年齢だけで門前払いされる現実もある。

私自身、今すぐに会社を放り出されたらどうするだろう? これはまた別の記事で改めて書いてみたいと思う。

終わりに:時代は変わった。でも、自分の価値を信じ続けたい

今の時代は、「忠誠心」や「年功序列」が報われる時代ではなくなったのかもしれない。だが、それでも私は信じたい。自分が積み上げてきた経験や誠実に働いてきたことは、決して無駄にはならないと。

不確実な時代の中でも、備えと心構えを忘れず、自分の人生を自分で舵取りしていきたい。

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