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AIとERPの融合により意思決定は10倍に加速する

はじめに:計画と実績の乖離は、製造業の宿命

「今期の販売予測、出しても外れるのが当たり前」

これは私が長年製造業で営業・販売管理の現場を見てきた中で、何度も何度も感じてきたことです。

需要を読み、過去の傾向を分析し、慎重に販売計画を立てても、その通りになることの方が稀。

どんなに知恵を絞っても、現実は常に予測の上を行く──それがものづくりの世界のリアルです。

レガシーシステムでは「過去を集める」だけで一苦労

私の勤務先では、いまだにSAPやオラクルのようなERPを導入していません。

その代わり、複数の内製システム+大量のExcel作業で日々の業務をまわしています。

販売データはAシステム、出荷情報はB、在庫はC……

それぞれからCSVを吐き出し、Excelマクロで加工し、マニュアルでまとめて資料をつくる。

こうした作業が**「予測を立てるための第一歩」**になっている現実があります。

結果的に、過去のデータを揃えるだけで一週間。

現場で実際に流れを見ていないと因果関係も読み取れず、データが意味を持たないこともしばしば。

過去から学ぶべきだとは思いつつも、実際には重すぎるタスクになってしまっているのが正直なところです。

AIとERPの融合で何が変わるのか?

では、こうした業務がAIとERPの融合によってどう変わるのか?

結論から言えば、「予測の精度」が劇的に上がるわけではない。

むしろ、「意思決定のスピード」と「再計算の柔軟性」が格段に向上するという点が本質です。

たとえば、

「今週の見込みが5%ずれたら、月末着地はどうなるか?」 「A工場の稼働が止まった場合、どの製品がどれだけ欠品するか?」

こうした「もしも」のシナリオを瞬時に試算し、意思決定に必要な材料を整えてくれるのがAIの強みです。

つまり、**未来を当てる道具ではなく、ズレにすぐ気づいて手を打てる“加速装置”**になるのです。

計画の精度よりも、「ずれたときの即応力」

予測が外れるのは前提。

だからこそ、「割り切り」が重要です。

私自身、販売計画を立てる立場としても、管理者としても思うのは、

「未来は読めない。でも、早く気づいて、早く動ける組織が強い」

ということ。

AI×ERPの活用も、この発想がベースにあるべきだと感じています。

いかに早く状況の変化を察知し、ダメージを最小化できるか。

それが競争力に直結する時代なのです。

まとめ:過去は役に立つ。でも未来を保証するものではない

温故知新という言葉があります。

過去を学ぶことで未来の判断材料になる、というのは確かにその通り。

しかし、実際のビジネス現場では、どんなに過去を分析しても未来は裏切ってくる。

だからこそ、私は「完璧な計画」よりも「柔軟な再計算」を大切にしています。

AIは未来を当てる魔法ではありませんが、未来がズレたときにすばやく軌道修正できる力を与えてくれる。

そういう意味で、AIとERPの融合は、私たちの仕事を確実にアップデートしてくれる存在だと思います。

そして私の会社では、いまだSAPすら導入していません。

レガシーな仕組みを使い倒し、Excelや紙ベースの運用が中心です。

けれど逆に言えば、これから導入するなら、AIと融合した“進化形ERP”を最初から採り入れられるという強みもあります。

中途半端なタイミングでSAPを導入していたら、アップデートや運用に振り回されていたかもしれません。

そう考えると、5年後にAIと共存する形でERPを入れるほうが、結果的に賢明だったのかもしれない──最近はそんなふうにも思うのです。

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