若手社畜の憂さ晴らし

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私の隣にSクンという若手社畜がいます(歳は30才くらいかな)。彼は仕事に対して暇さえあれば不満をこぼすタイプで、しょっちゅう会社や上司をdisってます。

彼の不満を箇条書きにするとだいたい以下のような内容です。

  1. 上司の仕事の分配に偏りがあって、仕事をしていない奴がいる。不公平だ
  2. 会社がケチだ(会食費で1000円とられる)
  3. どうでもいい仕事が多い。仕事つまらない
  4. ITインフラがしょぼすぎる(業務効率が悪い)
  5. 給料安いし残業代がないと生活できない

だいたい上のような内容を毎日繰り返して吐露し続けているSクンなんですが、圧倒的に1番目の他人の仕事を批判することが多いです。

「平の自分がこんなに苦労して残業までして仕事しているのに係長級のYさんはたいした仕事もせずにとっとと定時で帰るのが許せない」だとか、「Yさんは誰よりも遅く出社して誰よりも早く帰る。現場のモチベーションが落ちるから困る」

まぁこんな具合です。

先輩社畜としてタマに彼の不満に付き合ってあげるのですが、同世代が係長級に昇進する中出世がやや遅れているSクンのヒガミも多少あるように思います。

そして彼は社畜の基本を理解していない。

社畜というのは歳を食えば食うほど働かなくなるものなんです。がむしゃらに働けるのは30代前半まで。

そして30代前半以降にたいてい係長級に昇格して労働条件が「みなし労働制」に移行し月々の給与に数時間の残業代が含まれることになる代わりに残業代は原則ゼロとなるのです。

タダ働き残業なんてやるわけないわ(そう言いつつやる時はやってますけど・・・)。

できるだけギリギリに出社して、定時になったら速攻で帰る。これ、当たり前。基本の生き方です。だって残業代でないんですからね。

Sクンは他の社畜を批判する前に大人しく働いて、早く昇進資格(試験に通る必要がある)を得ることが目下の最優先課題のはずなんですけど、他人の批判ばかりしてますね。私が彼の上司ならもっと従順な社畜を先に昇格させるでしょう。

明らかに彼は損をしています。

一方で大した働きをしていない同僚(少なくとも彼の目にはそう映る)を許せないという気持ちはわからんでもないです。私も社畜道15年目の中堅社畜ですから少なからず組織の中にはサボタージュを繰り返す不良社畜もいることは知っています。

けれどもそういう不良社畜も会社の労働規約の範囲内でやっているだけで、一方的に解雇できないのですから文句を言っても仕方がないことなんです。

例えば有給休暇を100%消化する社畜がいたとして、会社はそれを理由に解雇できません。有給休暇は社畜の権利ですからね。

でも、Sクンはそれが許せないらしい。考え方が昭和のおっさんなんですね。自分の仕事の効率は棚にあげて有給取得をとる社員=楽してると考えるのは合点がいきませんね。

自分の業務効率を上げて、自分も有給休暇を100%取得すればいいだけなんですが。そういう思考はできないようです。

仕事の配分が問題なら上司の管理不足でしょうから、個人面談などでそれを告げるべきですね。Yさんにももっと仕事を振ってくれと言えばいいだけです。

Sクンの憂さ晴らしは愚痴とお酒だけのようです。若手同士で会社帰りに飲みに行っては上司の悪口を肴に酒を飲む。まるで昭和のサラリーマンですが、薄っぺらい財布がいっそう薄っぺらくなるだけの無意味な憂さ晴らしは止めてもっと建設的に生きて欲しいものです。

彼が5番目に上げた会社への不満。給料の低さ。こっちの方が彼にとって切実な問題であろうと思います。残念ながらこれは転職するしか解がないと思われます。

私が言うのもなんですが、若手のSクンを見て思った感想でした。

おわり