社運をかけたプロジェクトのねぎらいがこれか…

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会社の業務でかれこれ一年近くとあるプロジェクトに関わっている。

社運をかけたけっこう大がかりなプロジェクトだった。

私自身学ぶべきことが多かったし、ビジネスパーソンとして未熟さが露呈したプロジェクトでもあった。

そのプロジェクトがいよいよ佳境を迎えつつあり、何とかなりそうな目処が立ってきた。

定時退社の常習犯であるこの私ですらこのプロジェクトのせいでしょっちゅう残業したし、私以外のメンバーも残業時間はハンパなかった。

それに強行スケジュールで海外出張も組まれ、ひどいときは月二回日本とアメリカを往復したりもさせられた(私は途中から脱落し、留守番組だったのでラッキーだったのだが)。

最後の方は連日電話会議が深夜から開催され、詰めの交渉が行われたりもした。

私は会社から携帯電話が支給されていないことを言い訳にして、これらの電話会議には極力参加を避けていたのだが、部長をはじめ、プロジェクトのキーマンは大変だったろう。

外部との交渉も大変な作業だったが、社内の承認プロセスにも膨大な時間と労力が割かれた。

事務方というのはこういう時に真価を発揮するものである。

普段の仕事は数字をこねくりまわしてダメ出しするという嫌われ役だったりするが、社内の調整や資料の作り込みは流石だった。

経営の上層部への説明というのはマニアックすぎてはならない。シンプルかつ要点がしっかり伝わる説明力が求めれる。

資料をシンプルにすればそれで終わりではない。

膨大な裏付け資料を準備し、どのような質問にも的確に回答する周到な準備が必要なのである。

チームは素晴らしい仕事をしたし、私は社畜ながらこのプロジェクトに携われたことを誇りに思うくらいだ。

だが、悲しいかな。

社運をかけたプロジェクトを成し遂げたにも関わらず、チームのメンバーの報酬はない。毎月の給与もボーナスも変わらないし、深夜の電話会議も手当てなどでない。

裁量労働制という名の奴隷制のせいだ。

チームの主力メンバーだったIさんは過労で血圧が下がらず、ついにはドクターストップがかかったらしく、午前中は出社禁止となった。

そんな中、今日聞いた話だが、経営幹部の連中が我々プロジェクトチームの苦労をねぎらうために一席設けたいとのこと。

同じくチームメンバーのUくんが会場の予約の電話で奔走していた。

「あっ、すみません。HPを見てるんですが、ゴルフ場の施設にカラオケあったりします?あと、飲み放題メニューとかありますか?」

面倒くせ!

なんでチームのメンバーをねぎらうのにゴルフとカラオケなんだよ!💢

沸々と怒りが湧いてきた。

ストックオプションで億を超える報酬を貰っている連中が、プロジェクトチームに旨いものとゴルフとカラオケをプレゼントしようとしているらしい。

「あのぉ。私ゴルフ興味ないし、やったことないんですけどぉぉぉ」

「カラオケ?なんでオッサッン同士で歌を歌わないといけないんでしょうか…?」

「てか、なんでそんなめんどいことアレンジしないといけないのでごわすか?こっちは忙しいんですけど…てかねぎらうならあんたがしろよ!」

こう言いたい。言い放ちたい。

てか、そんな気遣いいらんから休暇と報酬をくれ。

何が楽しくて息臭いおじいちゃんと酒飲まなアカンねん。いい加減にしてくれ。誰もそんなこと期待しとらん。

打ち上げならあんたらだけでやったらいいだろ。

このプロジェクトのせいでメンバーの余命は確実に縮まっているんだぜ。

それがわからんのか!?

あんたらがイビキかいて寝ている間もこっちは交渉の詰めをやっていたのだ!!

せめて金一封(10万円くらい)包んで「これでゆっくり温泉でも浸かって骨休めしてこい。今回はありがとう。よくやってくれた!君たちのお陰だ」とか言えんのかい。

正直、うちの会社の経営層には失望した。

私はこんな下らない茶番には付き合うつもりはない。

おわり