東京難民

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休日はどこにも行かずに自宅で過ごす時間が増えたので、今日は映画を見てました。

今日のタイトル、東京難民。なかなか見ごたえがあったし、面白かったです。わがブログでも感想を書いておこうかと思います。

ちなみに本作品、アマゾンのプライム会員なら無料で視聴できます。格差社会や貧困ビジネスについて興味のある方はぜひ観てみてください。

物語はどこにでもいそうな今風の大学生(主人公:中村蒼)が大学の授業料未納により大学を除籍されるところから始まります。

そして、家賃滞納でアパートも追い出され、ネットカフェで寝泊まりしているうちにどんどん底辺に転落していく・・・そういう暗い内容の映画ですね。

兎に角食いつながなければならない主人公は様々な職業を転々とすることになります。

日払いのティッシュ配りのバイトから始まり、治験のバイト、ホストクラブ、土木工事の日雇い、そして最終的にはホームレスと一緒に空き缶拾い・・・どんどん落ちていきます。ここまでついていない男はそういないw

それぞれの職業の裏事情なんかがつぶさに描かれているので、世間知らずの私としては新鮮でしたね。

この映画には格差社会、弱者に厳しい社会、裏社会、貧困ビジネス、搾取、一度落ちたら這い上がれない社会・・・といった普通の人が目を背けがちな社会問題を落ちていく主人公の転落を通して視聴者に投げかけています。

これでもかというほど資本主義社会の冷徹さ、冷酷さが主人公のふりかかり、実に救いようのない展開になるのですが、最後には主人公が生きる気力を取り戻し、絶望の淵から這い上がろう前向きに生きる決意をするところが唯一の救いでした。

主人公が貧困に落ちていき、最後はホームレスになるまでにいくつかの重要なシナリオ分岐点があったのですが、ことごとくその決断が裏目に出てしまいます。

最大のシナリオ分岐点は物語のかなり序盤に訪れます。それは、主人公が住む家を失うということです。

家賃滞納による契約打ち切りに至る前に親戚でも友達でも誰でもいいからとにかく金を集めて住む場所さえ確保できていれば、そのあといくらでも再起するチャンスがあったと思います。

現代社会においては住所不定になることほど就業の機会を狭めるものはなく、逆に言えば住む家さえあれば、あとはバイトで何とかなるはずだったんです。

住所がなくなったことが一番大きなシナリオ分岐ポイントだったのは間違いなく、その後の主人公はネットカフェ難民生活に陥り、まともなバイトを見つけることができず、転がり落ちていきます。

映画ではホストクラブとその闇についてもスポットライトを当てています。これはこれで見ごたえはありました。

ホストクラブにはまって借金を背負って夜の風俗に堕ちるという話はネットでよく聞く話ですが、この映画でもそういう展開が待っています。

消費者金融からの借金でホスト通い。やがて借金で首が回らなくなり、夜の風俗へ・・・というパターン。

一度ホスト遊びという罠にはまったら最後転落していきます。実は大学を除籍になった主人公より、風俗に堕ちたナース(大塚千弘)の方がよりリアルでした。

この作品は主人公やホスト狂いのナースの転落人生を描くことで現代社会の冷徹さ、一度落ちたら這い上がれない社会、敗者復活ができない社会という社会問題をテーマにしています。

が、まだ若いのだしやりようはあったのではという思いがぬぐい切れないですね。これが年を食ってからだともっと悲惨なことになります。

主人公は「自分の人生が終わっている」とセリフを吐くシーンが何回か出てきますが、全然終わっていないよ!と言いたい。若さという人的資本があるのに何いってんのと。

ちょっとその点は残念というか違和感はありましたね。

私が主人公と同じ境遇だったらどうするか・・・。そうですね、私なら覚悟を決めて住み込みで働く道を模索したと思いますね。

例えば遠洋マグロ漁船の船員になるとか、ホテルの住み込みバイトとか、探せばいろいろありそうです。

私ならホストなんて裏社会に足を踏み入れる前に金をためてやり直しますね。

映画としては演技派の俳優陣をそろえていて、かなりクオリティは高いし見ごたえあります。途中で観るのをやめたくなるようなことはありませんでした。見る価値はあると思います。

最後にどうでもいいけど主人公の中村蒼は韓国のイケメン俳優のウォンビンに似てますね。あとソープ嬢に堕ちた大塚千弘の脱ぎっぷりも素晴らしかったですw

おわり