先日、ネットニュースでこんな記事を見つけた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cda96e82ed40988faf6f85e2ae535c43c53bc69b
パナソニックは来年4月から組織改編で持ち株会社の下に、八つの事業子会社がぶら下がるかたちになるそうだ。
この組織改編によってそれぞれの事業子会社に所属する社員給料は見直され、業界水準に変更されるのだと。
そうなる前に早期退職を募集して無駄な贅肉を削ぎ落としたかったのが経営側の思惑だったのだろう。
しかし、結果は1000人の募集に対して応募が2000人と辞めたい社員が殺到。その中には有能な社員も多数含まれていた模様。
贅肉も減ったけど筋肉も減っちゃった形だ。
この記事を読んで何を思ったかというと「明日は我が身」ということ。
これは個人的な意見だが、大企業の凋落は組織がデカすぎて小回りがきかなかなることが大きな要素だと思っている。
ガバナンスが行き届かない。なんせ何万人という従業員を抱えているわけで、中には寄らば大樹の陰でサボタージュ不良社員もいることだろう。
それに今は世の中の変化のスピードが早い。にも関わらずその変化についていけないのが大企業なのだ。
意思決定を的確に迅速にやらなきゃいけないのだが、大企業であればあるほどその意思決定が遅い。
平社員が必死でつくった企画書を課長が見て次に部長がみてさらに経理部門の目を通って、経営企画室に回されてそこでもまた審査され、本部長に上がってようやく企画が通る。
つまりながーいハンコリレーを未だにやってるのだ。このリレーの中で当然不備が見つかることもあるだろう。そしたら差し戻しをくらいまた一から再スタート。
せっかくいい企画だったとしても、こんな調子ではいつまで経っても企画が実現しない。意思決定が先送りにされ気付いた時には他社に先を越されたりするわけ。
鈍重な巨大な恐竜が今の日本の大企業で、パナソニックなんかも実態はそんな感じだと思う。
品質検査不正を繰り返す三菱電機なんかもそうだろうね。巨大が故に小回りがきかない、ガバナンスも行き届かない。
パナソニックはその対策として複数の事業子会社に分割しようとしている。それぞれの事業子会社が独立して迅速に意思決定出来る体制を敷こうとしていたに違いない。
個人的にはやろうとしていること、方向性は正しいと思う。今のでかい図体を維持していては多分今後の競争に勝てない。
事業会社に分割することでそれぞれの事業が独立採算で競争の波にさらされることで強化される。
今回、新体制前に早期退職を募集したのだが、想定を上回る応募があったのはしょうがないことだと思う。
パナソニックが新しい体制で再び世界でサムスンやLGと伍して戦えるように生まれ変わることを期待している。
おわり