4967950128

【JT株を売却】ロシア事業リスクと成長戦略の転換で完全撤退を決断

2022年以降、ウクライナ侵攻によって激化するロシア情勢は、ついに経済面でも大きな波紋を広げつつあります。プーチン政権は、ロシア国内から撤退する外資系企業に対して「接収も辞さない」という強硬な姿勢を示しました。つまり、合法・非合法を問わず資産を没収する可能性があるというわけです。

そんな中、私が長らく保有してきた【JT(日本たばこ産業)】の株式について、大きな決断を下しました。全株売却、完全撤退です。

ロシア依存の危うさ:売上の2割が吹き飛ぶ可能性

JTはかねてより、ロシアを含む海外市場に積極展開しており、なんと売上・利益の約2割をロシアが占めていると言われています。

このロシア事業が、接収によって一夜にして“消える”可能性がある。そうなれば、今期のEPS(1株当たり利益)も現在の200円から160円程度にまで下落が見込まれます。

JTは「配当性向75%」を掲げていますが、これが維持されたとしても配当金は120円まで減配される公算が高い。

株価見通しとバリュエーション:1400円〜1600円も視野

実際、JTの株価はすでに直近の高値2,300円から2,000円付近へと15%下落しています。今後もさらなる下値を目指す可能性は十分にあります。

仮にEPSが160円でPER(株価収益率)を10倍と仮定すると、妥当な株価は1,600円。ロシア依存や成長性の鈍化を織り込むと、1,400〜1,500円まで下落してもおかしくはないと判断しました。

撤退の決断と損切りの意義

私は2016年からJT株を保有してきた古株ホルダーです。今回の売却で約200万円の損失が確定しましたが、これまでの配当収入を加味すれば実質的な損失は80万円程度。それでも、後悔はまったくありません。

投資において最も重要なのは「前提条件が変わったときにどう動くか」です。企業の根幹を揺るがすようなリスクが顕在化した以上、保有し続ける意味はありません。むしろ、損切りを躊躇した方が将来的な傷は深くなると考えています。

今後JT株を買うべきか? 私は「ノー」

一部では「下がったところで買い直すのもアリ」という声もありますが、私はおすすめしません。なぜなら、成長戦略の柱である海外展開そのものが大きな曲がり角を迎えているからです。

このまま国内依存に逆戻りするなら、長期的な企業価値の成長も期待しづらい。高配当株としての魅力はあっても、将来への安心感は乏しいのが正直なところです。

まとめ:投資とは「前提」がすべて

JTの売却は、感情ではなく、論理とシナリオの変化に基づく決断です。どんな銘柄であっても、どんなに長年持っていようと、「見切りをつけるべきタイミング」はやってきます。

今回の判断が誰かの参考になれば幸いです。

「損切り=敗北」ではありません。

むしろ、次のチャンスに進むための健全な選択だと、私は信じています。

タイトルとURLをコピーしました