サラリーマンが出世を目指すひとつの理由、あるいはモチベーションとして挙げるとすれば「会社の金を使う」ことでしょう。
昔は経費管理もユルかったからなおさらでしょう。
管理職になれば交際費をかなり自由に使えたんです。それこそ私的なことにさえ。
私の昔の職場の上司はフィリピンパブが大好きでした。
海外からお客さんが来る度に二次会、三次会と嬉々として贔屓のフィリピンパブに連れていってましたね。
恐らく多少は癒着があったと思います。
例えば上司がプライベートで来店したときは酒代を無料にするとかね。店側もスペシャルな待遇をしていたはずです。
個人の領収書もばれない程度に会社費用で落としていたはず。
お店や働く嬢にとっても上司は金を落としてくれる上客だったし、もはや上司なしでは経営がまわらない状態だったと推測しますからまぁ分かりやすい戦術です。
その上司はたいした仕事もしていなかったし、職場でもあまり評判がいいとは思えなかったけども、フィリピンパブ嬢やママさんからは絶大な信頼を得ていたようです。
本人も人助けのつもりかシングルマザーの嬢の息子の仕事の口を斡旋したりと公私ともにフィリピンパブのめり込んでいた。
そうすることで仕事では決して満たされない彼の自尊心を満たしていたのでしょう。
しかし、彼のようなタイプは一旦会社を退いてしまったら惨めな運命が待っていたでしょう。
会社の金を使えなくなった途端に用済みです。それに今まで家族サービスを犠牲に嬢の尻ばかり追いかけてきたわけですから嫁子供からは見放されていたことでしょう。
私が過去形で文章を書いているのは彼がもうこの世にいないことを意味しています。
ガンでこの世を去りました。タバコも酒もやる人だったし、博打も好きだったし誉められた生活習慣ではなかったでしょうね。
享年62歳・・・。ハッピーセカンドライフを迎える前に死んでしまった。
葬式には沢山のフィリピンパブ関係者が参列され、彼の死を悼んだそうです。
子供さんは娘さんが二人。二人とも成人しています。父親の葬儀に知らないフィリピンパブ嬢がやってくる。お父さんらしいと思ったのか、どうなのか。
私の考えが古いのかもしれませんけど、私が娘さんの立場なら恥ずかしいなぁ。
唯一はっきりしてるのは私にとって会社の金でキャバクラ遊びに興じることに何の魅力もインセンティブも感じないということだけ。
キャバクラなんぞ時間の無駄だし、そもそも私のようなぼっち気質には拷問に近い。金を貰っても行きたくない場所ですわ。一次会だけで勘弁してくれ。
この上司もそうですけど、古い世代であればあるほど会社の金に寄生してやろうというみみっちいことに血眼になっている。
そしてたいていが周囲から煙たがられる老害じーさんになっていくのである。
そんな醜態さらしてまで会社に寄生したいか?会社の金を使いたいのか?
てか、あんたらの世代は年金の不安もないし勝ち逃げ組じゃなかたのかよ?
会社でそれなりに偉くなったしさっさと引退して自由に生きればいいんじゃね?
私にはさっぱり理解できない行動だが、会社の金を使うことが生き甲斐みたいな奴って会社の上層部には掃いて捨てるほどいますよ。
余計なお世話だろうが、さもしい人生だなと思う。
おわり