うちの職場では三密を避けるべく、事務所への出勤者7割減を目標に積極的に在宅勤務を推奨しています。
新型コロナ禍がもたらした大きな変革のひとつといっていいんじゃないでしょうか。これを機に働き方が変わる気がしています。
しかし、本当に変わるのでしょうか。つい先日職場で元上司のMさんと話す機会があって、雑談の中で在宅勤務ってどうよ?という話になりました。
Mさんから意見を求められたのので、もちろん私はリモートワークには大賛成でですよと答えたのですが、Mさんはどうもご不満な様子でした。
ん?在宅勤務の何が気に食わないのかな?
話をしていると、Mさんがひっかかるポイントをまとめるとざっくり以下のような理由のようでした。
部下が信用できない
ちゃんと仕事をしているのか、わからないというんですね。普段からパフォーマンスがあまり芳しくない部下のYくんを例にあげて、「Yなんて絶対寝てるぞ。間違いない!」と断言してました。
さすがに寝ている社員がいるとは考えたくないですが、ちゃんと仕事をやっているかは社畜の管理者としては気になるところなのでしょうか。
あと、TV見ながらとか、音楽聞きながら仕事してるんじゃないかとか、疑いだしたらきりないのですが、どうやらそんな感じで部下に対して疑心暗鬼になっているようでした。
顔が見えないから仕事を与えにくい
Mさん曰く、仕事を部下に指示するときも実は部下の様子を見ながら指示していたというのです。
つまり会話を通じて部下の顔色、声のトーン、表情など観察して仕事を任せても大丈夫かどうか、負荷オーバーにならないかどうか、その辺を見定めていたとのこと。
状況をタイムリーに把握しずらい
皆が一同に同じ職場で集ってブヒブヒいっていれば嫌でも周りの声が耳に入ります。
何か重大なトラブルが起こったら即耳に入るし自分のところに情報が集約されます。リモートの場合は各員がどのような状況にあるのか、把握しづらいようです。
自宅だと普段何気なく普段聞こえてくる部下たちの息遣いがパタリとなくなるので、管理者としては不安な心理になるようなのです。
管理職の役割も見直す時がきた
結局、リモートワークを会社に定着させるためにはまず一番に旧来型の社員の管理の常識とか枠組みを見直さないといけないと思いますね。
それこそ管理するという意識を一度捨て去ったほうがいい気がします。そんなことに血眼になって頑張っても売上も利益も増えないことに気が付くべきなんですね。
極論、成果が出ていればそれでいい。業務が回って入ればそれでいい。それくらいの割り切りがないとリモートワークの定着は難しいと感じます。
しかし、簡単にはそうならないでしょう。なぜなら課長さんや部長さんの仕事がなくなってしまうからです。実はこれが本質的な問題で、そもそも課長とか部長という役職が組織の中で本当に必要なのか?という大命題に結びつくことになります。
自己否定はできません。となると課長も部長も必要という前提は変えないでしょうから社員は従来どおり通勤してオフィスに集うという元に戻る可能性が濃厚だと思います。
つまり、喉元過ぎれば熱さを忘れるでコロナ禍がおさまったらリモートワークは下火になるような予感がありますね。
しかし、コロナ禍を気に一度取り入れたリモートワークを下火にさせるような会社は早晩競争に敗れ淘汰されるリスクが高いです。こんなことすらできない会社には優秀な人材がこないから長期的に凋落しても不思議ではないですね。
これまでの古い管理手法を捨て去って、考え方をどんどん変えていかないと時代の変化に取り残されやがて消えてしまう。リモートワークは生き残りのための試金石だと思います。
わが社はどうなるんでしょうかね。Mさんのような古い考えが支配的なら暗い未来が待ってそうです。
おわり