今朝、日経電子版でこんな記事を見かけた。
日立製作所は7月にも、事前に職務の内容を明確にし、それに沿う人材を起用する「ジョブ型雇用」を本体の全社員に広げる。管理職だけでなく一般社員も加え、新たに国内2万人が対象となる。必要とするスキルは社外にも公開し、デジタル技術など専門性の高い人材を広く募る。年功色の強い従来制度を脱し、変化への適応力を高める動きが日本の大手企業でも加速する。
日経電子版
長らく日本には米国で一般的なジョブ型は馴染まないと言われてきた。今まで多くの大企業で年功序列の賃金体制が敷かれている。
だが、この古い体質では変化の激しい波を乗り切ることは出来ないだろう。
専門性の高い人材を採用するためには従来の年功序列賃金では無理だ。市場価値が2000万円ある30歳のITエンジニアが年功序列賃金では700万円なんてことになってしまう。
無理でしょ。絶対来てくれない。
だから本気で競争に打ち勝ち、生き残りを図るなら賃金体制含め、色んなことを変えなきゃいけない。
日立はそれを苦しみながらもやろうとしている訳で、私は素直にエールを送りたい。やはり日立は総合電機の中でも別格だ。グローバルな競争に必ず打ち勝てるだろう。
東芝も然り。
経営スピードを上げるために東芝を解体しようとしている。スピンオフ上場という手法で、分割後の三社は上場が維持されるようだ。
日本ではかなりレアなケースときく。
東芝も日立に負けずチャレンジ精神は強力なものがある。こうと決めたら突き進む覚悟がある。私は結果的に失敗に終わったが、原子力に経営資源を集中させた当時に経営判断は間違っていなかったと思っている。
そして、問題ないなのは三菱だ。
総合電機は日立、東芝、三菱が長らく御三家と言われており、古くから日本を代表するメーカーだと言っていだろう。
今でこそ日立は生まれ変わったが、日立もリーマンショック直後の2009年3月の決算では未曾有の赤字に陥ったし、東芝はご存知の通り粉飾決算でボロボロ。
三菱だけが選択と集中が功を奏し、リーマンショックの荒波を乗り越えて安定的に成長できた優等生…だったはずだ。
だが、去年の不正品質検査、ブラック企業大賞の二度にわたる受賞、社員の自殺などなど不祥事にまみれた実態が浮き彫りになっている。
このような不正行為がまかり通る会社風土が問題視されていて、社長は引責辞任という事態まで追い込まれている。
日立も東芝も生き残るための必死の改革を断行する中で、これといって何もやっていないのが三菱だろう。
リーマンショックから10年。総合電機の株価チャートを見てみる。
流石は三菱。株価は上下の波はあるが、そんなに悪くない。日立の追い上げは凄まじいものがある。東芝は長期低迷を経て再び評価され始めているようだ。
今後の10年を予測した場合、おそらく三菱と東芝のポジションがちょうど入れ替わっていると思う。
不正に足を取られ、機動力のある経営もできず、賃金体系も年功序列を維持。社内変革など出来ないわけだ。
三菱を例えるなら昭和のサラリーマン量産企業である。上に媚びへつらうゼネラリスト集団。それが三菱だ。これではグローバルで戦えないだろう。
野武士のような日立、苦境から這い上がろうとなりふり構わない東芝に敵うはずがない。
誰が勝つか?結果は明らかだろう。
これから三菱の没落が始まる。
おわり