また一人、仲間が去っていく
我が職場からまた一人、同僚が辞めることになった。
今回の主役はY君。まだ30代前半の若手だ。中途で入社してから約10年、最近昇格試験にも合格したばかりだった。
最終出社を前に、個人的に1時間ほど話す機会があった。
辞める理由は「人間関係」とのこと──ただし、職場内の話ではなく、業務で日常的にやり取りしていた海外駐在の日本人が主なストレス源だったらしい。
許せない人間、そして動かない会社
彼が言うには、相手の横柄な態度や理不尽な要求にどうしても耐えられなかったという。
中には勘違いして自分が偉いとでも思っているような振る舞いをする人間もいたようだ。
さらに会社側の対応も煮え切らず、彼は孤独感の中で長年耐えてきたようだった。
「辞めようか迷っていたけど、もう限界だった」と静かに語る姿に、こちらも言葉を失った。
自由な決断、でも…
彼はまだ独身。身軽で、どこでも働ける。
環境を変える自由がある今の若い世代にとって、「辞める」という選択肢は悪いことではないと思う。
でも、正直に言えば、彼との会話はあまり心地よいものではなかった。辞める会社の悪口ばかり。
さらに次の会社について「いかに素晴らしいか」と自慢げに語られても……うんざりする。
こっちはまだ会社に残る身なんだよ。
送別会には行かない
彼が退職したあと、連絡を取るつもりもないし、送別会にも出ないつもりだ。
単純に、もう「縁が切れるだけ」の関係。
自分が慕われてるとでも? 勘違いしないでもらいたい。
それでも辞められるのは、優秀な証かもしれない
とはいえ、10年頑張ってきた人材が辞めるのは、組織としても大きな痛手だ。
同じスキルを持った人をすぐに見つけるのは難しい。
社員が安心して長く働ける職場とは何か? 改めて考えさせられる。
なぜ人は辞めていくのか?
▷ 職場の「欠けているもの」リスト
やりがい 人間関係 コミュニケーション 給料 裁量 将来性 残業時間
……全部じゃねーか、と思った人も多いはず。
実際、今の職場には全部が足りていないのが現実だ。
▷ 劣悪な職場環境のリアル
狭い空間に押し込められ、夏は暑く、冬は寒い。
古いパソコンはすぐ熱くなり、フリーズする。
職場の空気もどこかよどんでいる。
仕事がキツくて、環境が悪くて、人間関係もギスギスしていたら──それで続けられる人の方が少ない。
▷ 一つでも良ければ救われる
たとえば、給料がずば抜けて高ければ「まぁ仕方ない」と耐えられることもある。
でも、今の職場にはそんな”救い”すらない。
若い世代が我慢できずに辞めていくのも、当然の流れだろう。
里会社は本当に人を大切にしているのか?
会社は、人の人生や心の声に本気で耳を傾けているのだろうか。
現場から見ている限り、どうも建前だけが立派で中身が伴っていないように思える。
自分のような一介のサラリーマンが何を言ったところで、何かが変わるとも思わないが──
この会社が10年後も成長し続けている未来は、正直まったく想像がつかない。
まとめ|残された者の独り言
辞める人間には自由がある。
だが、残る人間にはしがらみと葛藤がつきまとう。
Y君の退職をきっかけに、職場の現実を改めて突きつけられた気がした。
人が安心して働ける職場とは何か──今こそ、本気で考えるべき時なのだと思う。