稲田大臣辞任についての雑感

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理人です。

先週、稲田防衛大臣が辞任しました。

ネットのニュースをざっと読みますと真偽は別としてけっこう部下には厳しい人だったようで、激昂することもしばしばあったらしい。役人の中には彼女をもっとも上司にしたくないタイプだという人もいたようです。

こんなニュースをぼーと読んでいて思うのは「サラリーマン乙」ってことです。

役人もいってみればサラリーマンみたいなものです。給料の出所が税金か会社の儲けかの違いだけです。

役人の事務次官(相当偉いポジションです)まで登り詰めてもその上には副大臣、大臣が省庁のトップとして君臨しているわけです。誰かの下で働くことに変わりはないのですね。

縦社会のヒエラルキー

役所の世界も会社も組織的に何かをやっている集団ですから、それをうまく統治する必要があります。程度の差はあるでしょうが、どこも縦社会というかヒエラルキー(支配階層)が存在します。

例えば係長、課長、部長、役員(取締役)、社長、会長といったふうな役職が存在するのはヒエラルキーということです。

高い場所から見る景色は素晴らしいのか?

たいていの人は上の階層を目指そうとします。年齢がそれなりにいけば自動的にポジションが上がる場合もあれば、年齢関係なく成果に次第という場合もあろうかと思います。

いずれにせよ役職が上がる度に権限が大きくなる傾向はあります。

でも、ヒエラルキーの上から見る景色ってそんな素晴らしいのだろうか?

私は働きアリみたいに地面を這いつくばってますから上からの景色はわかりませんけども、個人的には平社員と役員が見ている景色に大差ないんじゃないかと思っています。

偉くなっても上がいる

仮に私が課長に昇格したとして、私のレポートラインは課長が部長になるだけです。会社の金を使う時も部長にその了解を求めることになります。

部長になったとしても同じです。出張にいくのも役員のお許しが必要になります。飲み会の経費処理も承認するのは役員さんです。

サラリーマンにとって役員というのは勝ち組中の勝ち組であり、ほんの一握りの人間しかなれない希少なポジションではありますが、その役員でさえレポートラインは社長ということになるのです。

「○○君は最近海外出張が多すぎないか?役員の仕事は海外出張で飛び回ることではないのだよ!」という会話はつい先日、社長からある役員に対して出た言葉です。

社長でさえ自由ではない

社長になればヒエラルキーのトップとして君臨できるのかと思いきや、まだまだ上がいます。それは会長です。

さらにはOBも時に社長にとっては頭痛の種になる場合もあるでしょう。

サラリーマンの世界は複雑なのですね。

社長や会長クラスの本当の上司は株主でしょうね。重要議案は株主総会で決められることからけっして経営層が会社を好き勝手にできるわけではありません。

下手な経営をすれば株主総会で解任される恐れもあるのです。

部下は上司を選べない

基本的に部下は上司を選べないというのがサラリーマンの辛いところです。しかしやりようによっては下克上は起こり得ます。

それが稲田大臣の辞任劇です。

今回の辞任の裏には陸自衛隊の幹部のマスコミへの情報リークがあったらしく、これは部下の上司に対する明確な反逆です。クーデーターですね。

部下は上司を選べませんが、場合によっては優秀な部下が無能な上司を追いやることは可能だということです。

まあ、私のような出世欲もない働きアリには関係ない話です。

おわり