医者ですら自分が何の病気で死ぬか分からない

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人間、悲しいが歳をとることは避けられず、私が年老いている間に私の周りの人間も等しく年老いていく。

先日、風邪をひいて会社を休んで自宅で療養していたのですが、夕方に珍しく親父からメールがあった。

iPhoneの画面を見てビックリしたのだが、内容は私の伯父さんが亡くなったとのことを知らせるメールだった。

伯父さんは医者だった。

九州の田舎でずっと町医者をやって、晩年は医院を閉めて娘夫婦が暮らす関西で暮らしていた。

数年前、大腸ガンが見つかり肝臓にも転移していることがわかって投薬治療を続けていた。

ガンのせいで体はやせ細ってしまい、歩くのもやっとという状態だったが、投薬治療が上手くいき、体力もかなり回復し、一年ほど前から週一回ほど診察のバイトもやっていたそう。

死因は…

大動脈瘤破裂。

聞きなれない病名だが、「破裂」という響きが妙に頭に残っていて抜き差しならない怖い病気の匂いがする。

大動脈にコブができて、それが膨らみ破裂する…。動脈の破裂だから大量に失血し、多臓器不全を引き起こし死に至る病気だ。

胸の場合、破裂すると胸部に激痛が襲い、そのままショック死してしまう確率は70-80%とという。

事前の検査で動脈瘤の存在に気づいていたのだろか。ガンの治療にばかり目がいってしまい、見過ごされていたのだろうか。予兆はなかったのか。

わからないが、唯一伯父さんの死を通してわかったのは医者と言えども自分の死に方を選べないということ。

ガンの進行がゆっくり進んでゆっくり死んでいくのも痛みのコントロールさえしっかりできているならそう悪い死に方でもないのかもしれない。

家族との最後の時間を共有することもできる。

大動脈瘤破裂は突然死に近い。別れの挨拶を言う暇も与えられない。

私は今、新幹線にいる。上りではなく下りの新幹線の中だ。これから伯父さんと最後のお別れをしてこようと思っている。

おわり

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