うつ病と戦う②

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うつ病という病気は人生を破壊する病だと思う。その人からその人らしさを奪う。言い過ぎかもしれないが廃人に近い状態になる。

これまで当たり前のようにできていたことができなくなる。

人によって異なるだろうが、私の嫁さんは片付けが全く出来なくなってしまった。もともと苦手だったことがさらに苦手になる感じ。

家はモノで溢れかえっている。まさにカオス。気を紛らわすために買い物をしているようだ。

冷蔵庫の中身を確認しないままスーパーであれこれ食材を買いまくる。冷蔵庫に入りきらないものは玄関にそのまま放置する。

二人暮らしだから食べきれるわけないのに箱でミカンを買う。もちろん食べきれないので腐る。そして捨てる。

服もそう。リビングに嫁さんが買い漁った服やバッグが散乱というかうず高く積まれている。そしてたまに崩れる。

何もかもがこんな調子なのだ。何度注意したり怒っても言うことを聞かない。冷蔵庫の中身を捨てても一週間もすればまた元に戻る。

日常生活を、普通の暮らしをしていくのが難しい状態にある。家に居ても心が休まらない。私自身かなりヤバイ状態にある。

このままいくときっとロクなことは起きないだろうなと思う。

嫁さんが通院を決めたのは私の怒りがついに爆発したからだ。

散乱したゴミを投げつけてもういい加減にしろと。いつまでこんなことを続けるつもりなのかと。私は病気の嫁さんに向かって凄んだ。

嫁さんは泣いていた。

だが、私の積年の恨みは簡単には消えなかった。

病院にいけ!そして薬を飲め!病気と戦え!

そんなことを叫んでいた。いや、わめいていたと思う。

つづく