いきつけの床屋さんの廃業

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かれこれ10年くらい通ってたいきつけの床屋さんが廃業するそうだ。

年齢は50歳くらいかな。ご主人一人で細々とやってこられたが、昨年秋に2ヶ月ほど入院されてから客が遠のいてしまったらしく、ここしばらくは毎月赤字だったみたいです。

一回4000円。私が通うようになって値上げはなかったですが、個人の理髪店としては少し高めの設定でした。

値段は少し高いのですが1時間近く丁寧に髪を切ってくれ、洗髪も髭剃り、耳かきも付いてますし、最後に肩もみまでしてくれます。主人の人柄もいいのでずっと浮気せずに通ってたわけです。

しかし、1000円床屋が隆盛を誇る中、個人の床屋さんの経営は苦しい。

特に体を壊して長期休業した影響が大きかったみたいで、これをきっかけに他店に客を奪われてしまった。

顧客は3分の1まで減ってしまったみたい。

ご主人、値上げも考えたみたいだけどここまで客が減ったら値上げしたところで焼け石に水ってなもんです。

大家と家賃交渉したそうですが、うまく行かず、今後複数年の家賃契約を結ぶなら今店を畳んだ方がいいという結論に達したのでした。

飲食店でもそうですが、自分が贔屓にしてたお店が消えるというのは寂しいものです。

ご主人に最後の散髪をしてもらってる際に色々と話をしたんですが、千円カットがやはり一番キツかったみたいでした。

価格差が約3〜4倍のサービスになってしまったわけで、それをひっくり返すだけの価値を提供できないわけです。

千円カットは私が小さい頃からあったので目新しいサービスではありません。でも、昔の千円カットは値段相応というか、カットも雑ですし当然ながら洗髪も髭剃りもないわけです。

しかし、最近の千円カットはご主人のような個人の床屋を廃業したベテランの理容師がけっこう働いているそうで、昔ほど技術の差がなくなったみたいです。

そうすると益々個人の床屋の優位性は無くなるので、一旦固定客が離れれば苦しくなります。

洗髪と髭剃りという理容室ならではのサービスも節約志向の昨今、金を払うくらいなら自分でやるという人も増えてますし。

新規客の開拓も方法としてはなくはないですが、いかんせん個人経営の床屋さんにできることは限られているでしょう。

勝手に周囲の住宅街の人口が増えることは期待しにくいし、馴染みの常連さんはご近所の老人くらい。それも年とともに亡くなり減っていきます。

若い人ほど金がないから月4000円も髪に金をかけるより千円カットに行くので、それも一筋縄にはいかなさそう。

大変残念ですが、これも時代の流れです。

今後、どこで髪を切ろうか…。いっそバリカンを買って自分でマネージメント出来るようにチャレンジしてみるのも面白いかもしれませんね。

おわり