正月は楽しいイベントというのは幻想なのか

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皆さん、実家には帰っていますか?

私は去年の暮れに帰省してきた。2年ぶりの帰省だった。

父親と兄とは伯父さんの葬式であっているけど母親と弟と会うのは2年ぶりくらい。

久しぶりに家族が全員集合した。

でもねぇ。ちっとも楽しくないのですよ。

話が合わないのよね。

母親以外全員酔っぱらっているから余計にそうなのかもしれないけど。

話があっちこっち行って、死にかかっている祖母の容態の話かと思ったら突然私の黒歴史について話が変わったりね。

例えば中学時代に家出したこととかね(例え話で実際は家出なんてしてないけど)。もうこっちも忘れているようなことをいちいち蒸し返すわけです。そして、「あの時のお前はほんと馬鹿だよ」とか罵倒というか馬鹿にしてくる。イラつくわけです。

あと、「なんだその腹のぜいにくは」だの「お前運動もせずに酒ばっか飲んでいるからそんなに太るんだ」、「豚みたいに肥えやがって」、「お前は北の将軍様みたいだな」だの私の身体的な特徴的について思い付く限りの罵詈雑言を浴びせてくるわけですよ。

中年太りした息子を心配してくれてんならもう少し別の言い方もあろうものだが。こいつらの言ってること単純に悪口じゃねえか。

父親もたいがいだが、いい年した兄弟までつっかかってくるから勘弁してくれよとなる。君たち私に恨みでもあんのか(じっさい積年の恨みがあるかもしれないが)。

家族との食事がこのような異様な雰囲気になる傾向が強いことは知っているので、嫁さんは連れていかなかった。これは正解。いたら大変なことになっているよ。

正直いうともううちの両親にも兄弟にも会わせたくないね。このまま死ぬまで会わなくてもいいとさえ思っている。私たち夫婦のことは放っておいてほしい。誰にも迷惑かけないで生きていくからさ。

親も親で嫁さんのうつ病には辟易しているみたいだし、子供を作らない、作れないことも実はかなり怒っているもよう。

あんたらが思い描く理想の息子でなくて残念だったね。私以外の兄弟にせいぜい期待してくれ。

ご覧のとおり実家に帰省することが私にとっては苦痛なのだが、世間一般の皆さんはどうしているんだろうか。普通、楽しいはずだよな。久しぶりに親戚が集まって近況を語ったりして談笑するのが正月だよな。

それが苦行で精神的な苦痛を伴うってどゆこと?

我が家が特別なのか、それとも「正月=楽しいイベント」自体が刷り込まれた幻想であり、本当はみんな正月が嫌いなんじゃ?

多分後者じゃないかと思う。昔から正月なんてろくなイベントじゃなかったろう。年が改まって何がめでたいのかいまだに理解できない。

結局のところ正月とは親の愚痴を聴いてあげるイベントだったんじゃないか。親戚が多く集うことで、女たちは料理でてんてこ舞い。男集は昼間っから酒を飲んでダミ声あげている。

それが正月というものだったんじゃないか。楽しいのは家長である父親だけ。家長としての威厳を発揮する唯一のイベントなんでしょう。

まぁそれでも年に一回、正月くらいは帰ってやらんといかんかなと思ってはいる。団塊世代というのは古い価値観の信奉者だから、その価値観に応えてあげれば親の顔も立つというわけだ。

私にとっては本当に苦行に近いのだけど、年一回なら耐えられる苦行か。

殆ど親孝行らしいことをしてこなかったし、これからも世間一般が言う親孝行は出来ないから、年一回顔を見せればそれだけで親孝行なら、やっておくか。気乗りしないけど。

しかし、一抹の不安は年甲斐もなく怒りを制御できずに親兄弟にブチ切れてしまうかもしれないってこと。相手の挑発にのって怒鳴ったり、モノを壊したり、手をあげてしまったりしたら最悪だ(多分大丈夫だと思うが)。

世の殺人事件の多くが実は血族間であるという事実に人間の深い闇を感じるな。

兎に角、何とか怒りを制御して大晦日と元旦の二日間を乗り気って、2日の朝にはにさっさと帰るにつきる。

だが、今月伯父さんの一周忌で親と兄弟に会うんだよなー…。酒も入るだろうし、嫌な予感しかーしないね。来年はまた祖母の一周忌とか言い出すのだろうけど、もう法事はお腹いっぱいなんだよな。坊主の念仏は聞き飽きた。

おわり