日本の茶畑が荒れていく

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す静岡県は言わずと知れたお茶の大生産地で生産量は全国一位を誇っています(ちなみに二位は鹿児島県です)。

今の家に引っ越して来てから残念なことに近所のお茶畑がどんどん潰されて宅地になったり、放棄されて荒れています。

お茶畑は生産緑地としての農業生産の役割ももちろんありますが、景観の保全という別の役割もあるだけに、放棄されて荒れていくのを見るとなんとも切ない気持ちです。

お茶って樹木なんですね。放っておくともうお茶なのかなんだかわからないくらいうっそうと繁ります。

生命力がものすごく強くて重機を入れて根っこからチョン切っても3年もすればもとの背丈くらいまで成長するのですね。

ですから根っこから掘り起こしてしまわないかぎり、お茶の木は死なないのです。

つまり、お茶畑を潰すのもお金が沢山かかります。だから農家さんは放棄するしかないのですね。

ちょっと調べてみました。そもそもなんで農家さんは茶畑を放棄するのか。大変な苦労して育てた木をなぜ?

実は日本人のお茶の消費量は減っているわけではなくて増えているのです。でも、それはペットボトルの市販のお茶だったりします。

「おーいお茶」とか「生茶」といった大手飲料メーカーが作るペットボトルのお茶に使われる原料の茶葉は3番茶、4番茶の非常に安価な茶葉で本来市場に出回らないような代物で、値がつかないような茶葉なのです。

まさに二束三文。農家さんにとってはいい稼ぎにはなり得ないのでした。

そして、農家を廃業に追いやっている理由は急須に入れてお茶を飲む人口が減っているからなんです。最も商品価値の高い一番茶や二番茶を飲む人が減っているのです。

町の茶問屋さんにいけば、100gで1,000円とかパックで茶葉を販売していると思いますが、そういうのを買ってきて急須に入れて飲む習慣が減ってきているのですね。

私は嫁さんが毎朝お茶をヤカンで作ってくれます。それを1Lのペットボトルに入れて毎日会社にもっていって、会社の冷蔵庫でしばらく冷やして飲む習慣があります。

急須で飲むのはもっぱら土日くらいなもので、日頃から急須でお茶を飲む習慣はありませんね。

それが農家を泣かせているとはつい最近まで知りませんでした。

農家の方々がどれくらい苦しいのかと調べました。

これは静岡県議の方のブログにのっていたので信頼できる情報だと思いますが、昔は10アール(1ヘクタールの1/10)の広さの茶畑の農家の収入は60万円ほどあったそうです。

それが今は24万円の価値しか生まなくなったらしい。

つまり、1ヘクタールだとすると昔は年収600万円あったのが240万円にまで激減したということになります。

この金額では農薬、肥料、刈り取りの機械、人件費など差し引くと赤字なんですね。

作っても作っても赤字。

これではやってられないし持続することは難しい。儲からないので息子に跡を次がせるのもできない。

それにお茶は非常に急峻なところで栽培されているし、収穫も大変。重労働だといいます。

私にできることはできるだけお茶を飲むことと機会があればボランティアなど通じてお手伝いできればなあと思っています。

最後に山間地のお茶畑の風景をどうぞ。

おわり