アルコールと抗うつ薬の日々(3)

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そんなわけで、私の生活は徐々に酒中心になって行きました。

さらに仕事がうまくいかないこの時期に、「婚約」「結婚」という人生の一大イベントが重なります。

向こうのご両親への挨拶だとか、こっちの両親への挨拶、顔合わせ等々・・。

結婚式をどうする?、誰を呼ぶ?、どこで挙げる?、予算はどうする?、引き出物は? とにかく式を挙げるというのは大変なことです。

今からもう一度同じことをやれと言われても無理ですね。やりたくないし、多分できない気がします。

そして仕事の重圧と結婚式の重圧が私の精神をさらに蝕んでいきました。

結婚後の未来を描くことができず、このまま仕事を続けていく自信も勇気も失せていったのを覚えています。

何も楽しくない。何もやる気にならない。夜も酒がないと眠れない。下痢がひどい。吐き気ももよおす。

このままではダメになってしまうと思い、「俺ってひょっとしたらうつ病なんじゃなかろうか」と考えるようになりました。

調べてみると条件はほとんど合致している。

肉体的な苦痛としては、特に吐き気がすごかったです。緊張すると喉の奥が乾燥して「おぇー」てなる感覚に似ていますが、この吐き気が常にありましたし、本当に道端で吐くこともありました。

酒に酔っている間は不思議とこの不快な吐き気は収まったのでした。

そしてついに会社帰りに赤坂のメンタルクリニックを受診することにしました。

薬でこの状態を抜け出せるなら・・藁をつかむ思いでした。

アンケートと問診によって下された診断結果は「不安障害」ということで、このままうつ病に進行する可能性が高いと。

取り敢えず、抗不安薬 (ディプロメール)と睡眠剤のマイスリーを処方されたのでした。

つづく