トリリンガルのエース級の社員の給料が私と変わらないという現実

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今の職場のチームは課長を含め4人の小さなチームである。

一年前は3人で北米、オセアニア、中南米という広大な地域を見ていた(大した仕事していないけど)。

ちょうど去年の4月の人事異動でアメリカからUくんが帰って来た。

これによって人員は3人から4人に増強された。

実はUくんは私と年が近く、昔からライバル視していた(Uくんは歯牙にもかけていないと思うが…)。

彼も転職組で私と同じくらいのタイミングで今の会社に入社した。

スペイン語と英語がペラペラのトリリンガルで当時から一目置かれた存在だったし、ソッコーで花方である欧州担当を任され、その後アメリカの子会社へ出向という絵に描いたような出世コースを歩んでいる。

語学力が高く表現に幅があることもそうだが、ロジックの組み立て方も上手い。プレゼンをさせたら右に出る人間はそういないだろう。

唯一といっていいかもしれない彼の弱点は数字に若干弱いところがだった(自分のことを差し置いてよく言うよ)。

しかし、アメリカ出向でその辺りの能力開発はかなり進んだようで、今やエクセルも強いし数字にも強い。押さえるべきポイントもしっかり押さえている感じ。

それに加えてマーケットのことも顧客のことも理解しているもんだからさらにパワーアップしている。もう無敵だ。

それに日本人的な「ソンタク」ができる人間で、気を使うタイプである。つまり、上司受けも良いし後輩からも慕われるタイプだ。エース級の人材と言っていい。

彼にはもう挽回できないくらい差を開けられてしまった。(´;ω;`)

そんな無敵のUくんだが、実はもらっている給料は多分私とそんなに変わらない。

どれだけ有能だろうと、どれだけ会社に貢献しようと、どれだけ将来が有望でも、サラリーマンの給料というのはそれほど大差はつかないのだ。

給料だけではない。昇進もたいてい横並びであり、Uくんがいきなり課長になることはまずない。あと3ー4年は平社員のままだろう。

この人事システムはいわゆる日本型の大企業の典型といっていい。

Uくんのような有能な人材にとっては極めて不満が残るシステムだが、私のような弱者にとっては実にお気楽なシステムでもある。

しかし、転職市場が開かれている昨今、活躍する社員に相応しい報酬とポジションを与えられない会社には優秀な人材は集まらないのではと危惧する。

大企業という看板だけで有能な人材を囲い込める時代はもうとっくに終わっていると思う。

Uくんが他社に転職してしまう可能性もなくはないし、したとしても全く不思議ではない。むしろ真っ当な判断だと思う。

私はひっそり今の会社で息をひそめることとしよう。

おわり