細く長く生き延びる

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先日、職場の噂で聞いたのだが、そこそこ年配社員のMさんが今月いっぱいで退職されるらしい。

お年は50台半ばくらいか。

仕事のストレスや海外勤務で精神を病んでしまって、部付きみたいなポジションで特に仕事も与えられてなかったようだ。

突発的に発生するタスクをMさんに任せたこともあったが、やはり精神的に落ちているのでややこしい折衝とか調整は難しかったようで、それが病状をさらに悪化させてしまったようだ。

このMさん、今は鬱を患って久しいが、昔は昭和のサラリーマンを地でいく方であっと。残業がとにかく多く、私はこの人より遅く帰った記憶がない。

私が残業するときはいつもいた。仕事に悩んでいたのか机にうっぷして苦悶してる姿を良くみたものだ。性格がナイーブだった。

Mさんとは今でも休憩時間など雑談する仲だったので色々話だが、どうやら会社の早期退職制度を使っての退社のようである。

この制度、簡単に言うと金を少し多めに払うからやめて下さいね、という制度です。

セカンドライフ支援という名前が付いていた気がするが、ようは50歳以上のシニア層に円満に会社を辞めて頂くための制度と言っていい。

鬱で殆ど働けない状態だったから、会社としてもMさんの扱いには困っていたであろうことは察しがつく。会社の人事から本人に提案があったようだ。

割増退職金ももらえるし、Mさんにとっても悪いオファーでは無かったのだろう。お子さんも自立しているようだし、家の借金も返済済みだと言っていた。

まぁ老後資金のことまで考えたら無理してでも今の職場で働き続けるという選択肢も考えたようでしたが、体と相談して退職を決意したそうだ。

もう会社に来なくていいし、煩わしい仕事も人間関係から解放される。しばらくは金のことは心配せずにゆっくり静養してもらえたらと思う。

Mさんのことを思うと心身ともに健康でやりがいのある仕事を長く続けることがそれほど当たり前なことでないはないこと。実はそれってすごく幸運なことなのかもしれないって。

人生山あり谷ありで自分にいつどういう災難が降り注ぐかわからない。自分もいつ働けなくなるか分かったものじゃない。

というか、私の場合はそもそも働きたくない、である。

金の心配がないなら今すぐにでも会社は辞めたいと思ってるくらい。

Mさんは体を壊して早期退職を決意したが、私は普通にその制度を利用して定年の前に会社を辞めたい。

できれば50手前で辞めたいところだが、株式投資で痛い目にあってる身としては軽々にそんなことも言えない身分ではある。

出来るだけ自分にストレスをかけず、無理をせず(部下にもさせず)、目立たず、対立せず、かといって役立たずにならずそこそこ会社に貢献する…そんな社畜を目指して細く長く生き延びたい。

おわり