アルコールと抗うつ薬の日々(2)

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今から9年も前の話ですが、当時、私は東京でとある薬品メーカーで海外営業要員として働いていました。

大学を卒業して初めて勤めた会社でしたし、この会社でたくさんのことを学びました。今の自分があるのもこの会社のお陰ですし、感謝しないといけません。

ちょっと面倒くさい上司はいましたけども、悪い人間はいませんでしたし、今から思えばそんなに悪い職場でもなかったかなと思います。

でも、結果的に精神を病んでしまい、辞めてしまいました。

精神を病んだ理由はいくつかあろうかと思いますが、一番大きかったのは職場で徐々に孤立化していったことだろうと思います。

会社で孤立化するというのは、上司からいじめにあって無視されるとかそういう類いの話ではなく、ひとりで仕事を抱え込んで、ひとりでそれを解決しようとしていた結果のことです。

うまく回りや上司を巻き込むことができなかったんですね。

取引先とうまくやれなかったというのもありました。悩みをひとりで抱え込んでしまって、解決できず悶々とした日々を過ごしているうちに酒量がどんどん増えていきました。

酒を飲んでは会社と取引先の愚痴ばかりこぼして、泥酔するまで飲む毎日です。それも途中から記憶がなくなりますので、自分が何を言ったのかも覚えていない始末です。

風邪をひいて安静が必要なのに酒を飲んだりもしましたし、二日酔いで朝起きれなくて会社をずる休みしたこともざらにありました。

酒量が増えるにしたがって、その反比例で仕事のパフォーマンスは下がり続けました。ミスも増えたと思います。ストレスの発散は酒しかなかった。

仕事でのミスが増えると自己嫌悪感も増して来ます。自分に自信もなくなります。普段なら耐えられるであろう上司の叱責にも極端に反応してしまい、落ち込みがひどくなっていきました。

口数も減って、やる気も失せて、自ら孤立を深めていきました。唯一の楽しみは一人酒。定時になったらそそくさ身支度をして会社を後にし、家に帰ってひたすら安い酒を飲む。

次の日は重い体を引きずってようやく出社して、まずはトイレで激しい下痢。前の日の酒が抜ける午後からようやく頭がまわり始める。

そして夕方になれば家で酒を飲むことばかり考えていたと思います。

なんだか教会で懺悔しているような気分になってきました。今日はこれくらいにしておきます。続きはまた今度。

つづく