会社はよそで通用しない社畜を量産したがっている

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私のサラリーマンとしてのスキルを棚卸ししてみると悲しいくらい何もないことに気づきます。

若い頃はその若さ自体が「売り」であるのでたいしたスキルがなくてもオンザジョブで教育していけばいいし、若さ=価値の方程式は成り立つ。

一方、中年サラリーマンになってもまだ新人並のスキルしかないならけっこうヤバイかもしれない(私のコミュ力なんて新人以下だと思う。(-_-;))。

私のスキルが昨日まで学生だった若者と同じかそれ以下とは認めたくないが、スキルの種類によっては新人の方が遥かに高い経験やノウハウをもっていることは絶対あり得る。

例えをあげればキリがないけど、あえてあげるとネットリテラシーが分かりやすい例だと思う。

エクセル系の情報処理も苦手だが、Web系もまったくダメで、私のネットリテラシーはかなり低い思う。

要は私は今の会社以外で通用するようなスキルやノウハウを持ち合わせていないと言える。とてもじゃないがい自慢できるスキルはないし、今の給料並の会社に転職するのは相当高いハードルだろう。

今の会社に入って9年経つのだけど仕事を通じてスキルアップしたことをあげろと言われてもまったく頭に浮かばないのだ。

30歳から39歳の間、つまり私の30代はたいした成長もなくただ会社に人生を吸いとられた感がする(その間給料は頂いているし勿論会社に感謝はしてるけど)。

やったことと言えば商品企画と生産計画)、販促物の作成(古典的カタログ)、そして今の経営管理くらい。

同じようなもの作り系の会社なら多少はこれらの経験は役立ちそうだが、わざわざ年を食った中年を高給で雇いたいとは思わないだろう(私が経営者ならもっと若い人を採ると思う)。

結局、会社というところはその会社の業務に最適化した社畜を養成しているだけであり、そのためであれば基本オンザジョブで十分なのだ。

会社は社員がよその会社でも生きていけるスキルを学ぶ機会など与えるはずもない。社員の業務に直接関係なさそうな能力開発などどうでもいいのである。

工場のラインで働いている人に会社が金を出してMBAを取らせたりしないわけで、至極当たり前の真実ではある。

むしろ、会社は社員の自立を快く思っていない面があると思う。

社員を使い倒して社内しか通用しないノウハウだけ身に付けさせ、気づいたらよその会社では使い物にならない社畜を育てたがっているような気がしてならない。

なぜか?

それは途中で社畜に脱走されて他社に行かれたら困るというのが一番の理由だろう。たくさん愛情と金をかけて育てた社畜がよその牧場に取られることが嫌なんだ。

だから社畜がよそに盗まれてもすぐ諦めがつくように本当に役立つノウハウを社員に教育したりせず、そういうノウハウは社員の自主性に任せている。

適当な表現は難しいが「生かさず殺さず」というのが人材育成の鍵だと思う。

だから多くを会社に期待するのは間違いんなんです。

会社も社員も対等な立場であるべきなんですけど、古い会社ほど社員を都合のいい家畜と思って理不尽な要求(左遷とか転勤とか住宅補助の打ちきりとか)をしてきます。

最近、ニュースで副業解禁になってサラリーマンの働き方が大きく変わるかもと言われている。

若いうちに会社の仕事以外のスキルアップを促すことに繋がるだろうから副業は大いにけっこうなことだと思う。

特に未来ある若者は会社の残業なんてダッサイことせず、余暇で自己研さんに励む方が長い目でみたら得策だろうし、将来的に芸は身を救うかもしれない。

でも、副業を堂々とオッケーとする会社はちょっと違和感がある。なぜなら副業を社員にオッケーとするのはイコール自分会社の社員の給料が安いってことを世間に言ってるだけだから。

副業をやらないと生活すらできないような本来は淘汰されるべき会社が偉そうに「わが社は副業はオッケーです」とかいいかねない。

おわり