山口達也の騒動について

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普段、タレントや有名人のゴシップネタには無関心な方で昼間の情報番組も滅多に見ないのだが、今回の事件についてはアルコール問題が深く関わっているので注目していた。

本人は否定しているし、専門医に診てもらっていないから断言はできないが、彼はどうみても「アルコール依存症」だと思う。

まず、肝臓の数値異常で1ヶ月入院というところから既にアルコール依存症を強く匂わせる。肝臓に特効薬はないので入院して酒を断って安静にするしか治療法がない。

体を壊しても飲み続けるのはアルコール依存症のれっきとした症状だ。

また、アルコール依存症は「否認」の病とも言われていて、否定すればするほどアルコール依存症が疑われることになる。

酒量や酒を飲む頻度や場所をコントロールできない=アルコール依存症だと言っていい。

アイドルがアル中とあってはイメージが台無しにになるから、公にはしにくいだけなのかもしれない。それは理解できる。

だが、TOKIOメンバーの会見でも山口達也が酒の臭いを放ってロケ現場に現れることが多々あり、収録に支障が出る時があったと述べている。これらの数々の証拠は彼がすでにアルコール依存症であることを強く示唆している。

だが、酒に飲まれてしまうのはそれがアルコール依存症という病気のせいであって、彼は悪くない。悪いのは酒だ。

TOKIOメンバーの記者会見で松岡がいい放った言葉が私には理解できない。

「あなた病気だから」

「酒は悪くない。悪いのはあなただ」

そう松岡は山口に言ったそうだ。

まぁ最初の「あなたは病気だから」というのはわかる。アルコール依存症ということだ。その通りだろう。病気だ。

でも、次に続く「酒は悪くない。悪いのはあなただ」は物事の本質を誤って捉えていると私は思う。

誰が悪いって?酒が悪いに決まっている。これは当たり前のことだ。考えてもみて欲しい。アルコールの飲み過ぎで引き起こされる様々な負の側面を。例えば、

  • 飲酒運転して轢き逃げ
  • 酩酊して暴力行為にハラスメント
  • 酩酊してすっころんで怪我
  • DV
  • 急性中毒(場合によっては中毒死)
  • アルコール過剰摂取による健康被害(肝臓の悪化など)

上に上げたような事例は枚挙にいとまがない。しょっちゅう報道されていることだ。

タバコの喫煙を社会は糾弾してタバコ=諸悪の根元みたいに毛嫌いしているが、私から言わせれば諸悪の根元はむしろアルコールである。

タバコを吸いすぎて運転しても酒のように人を引き殺したりしまい。タバコを吸いすぎて自分の言動や行動を制御できなくなって暴力行為に及び挙げ句の果てに朝起きて昨夜のことを何も覚えていないなんてことも起こり得ない。

繰り返すが悪いのは酒だ。全部酒のせいだ。アルコール、エチルアルコールの所業なのだ。

山口に酒を飲ませた社会の酒に対する妙な寛容さも悪い。悪魔の飲み物であるアルコールを作っては大量のCMを垂れ流してアルコールの罠にはめてきたアルコール飲料メーカーも悪い。

アルコールの負の側面には蓋をして、酒をコントロールできなかった山口達也が全て悪いと全責任を山口達也に擦り付けるのは絶対に間違っている。

タレントやテレビ局にとって酒類メーカーは大のお得意様だから、酒を批判することはできないのかもしれない。

だが、世の中もはやテレビの時代は終わっている。アルコールの危険な側面にしてもググればすぐに情報にたどり着ける時代だ。テレビの情報を鵜呑みにせず、自分でことの善し悪しを判断するようにしたい。

一連の騒動を傍観していてそんなことを思った。

完全に酒を断ってアルコール依存症から立ち直った人もたくさんいる。だから山口達也にも再起をかけて頑張って欲しい。苦しくても酒を完全に断って復活して欲しい。仮にもうアイドルとしては無理でも。

山口達也がアルコール依存症を克服し、再起を実現できれば多くのアルコール依存症で苦しむ日本人にとって勇気を与えるに違いない。

おわり