オーストラリアと日本の雇用と年金制度について

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理人です。

先日、オーストラリアからお客さんがこられまして、打ち合わせの後ランチを一緒にとることになりました。

ビジネスの堅苦しい話はなしにしてざっくばらんに世間話をと思って、いつもなら人見知りで無口な私が珍しく積極的に下手くそな英語を駆使して話題をふってみました。

本音のところ、ビジネスの話なんて私はどうでもよくって、それより純粋に会話を楽しみたかったのです。ちょっと自分の性格が変わり始めていると思いました。

オーストラリアには定年退職という制度はない

ふとしたきっかけで話題はオーストラリアの雇用制度の話になりました。

情報としてオーストラリアでは年齢による解雇を認めていないことは知っていました。

定年が法律で明確に定められている日本とはえらい違いですよね。日本だとご存じのとおり、民間は65才(本人が希望する場合)、公務員は60才という定年が定められています。

民間にいたっては役職定年なる制度もあるわけでして、55才くらいで役職をとられて給料が3割くらい削減されてしまいます。能力というよりも年齢によって雇用と待遇が左右されやすい制度になっています。

年齢を理由に解雇はできないとはいえ、それ以外の理由で従業員を解雇することは一般的ですから、オーストラリアはかなり欧米に近い雇用制度だと言えるかと思います。

オーストラリアの年金制度

ではオーストラリアの人は死ぬまで働き続けるのか?年金もらってリタイアしないのか?という疑問が出てきたので年金制度について聞いてみました。

私も初めて知ったのですが、オーストラリアでは日本でいう老齢年金はあるものの、ある一定の資産を保有している場合、減額あるいは支給されない制度になっているそうです。

貧しい人だけに適用される制度なんですね。金持ちには支給しないというのは目から鱗というか、驚きです。でも極めて合理的な制度です。個人の積み立てではなくてあくまで税金から支払われるため、金持ちには支給しないという方法が取り得るのですね。

一方、企業に勤める労働者は企業が強制的に給料の9.5%を天引きして、年金用に強制積み立てされるみたいで、ある一定の年齢にならないと引き出せないそうです。

日本でいうところの確定拠出年金制度に似ています。つまり、オーストラリアの年金制度は二階建ての構造になっているのです。

日本の制度と比べてどうなのか?

オーストラリアの老齢年金は生活保護色の強い制度で、セーフティーネットとしての役割もあると言えますし、老後を迎えてお金がなくてもなんとか最低限の生活を送ることができるのではないかと思います。

また、この老齢年金の最大の特色は税金で賄われるため、日本のように年金未払いだから給付されないといったことはありません。現役時代の所得や納税額に関係ありません。

とてもシンプルな制度ではないかと思います。

強制積み立ては労働者が日銭を全て使いきることを防止する意味でよいと思いますし、日本も基本的にサラリーマンは給料からの天引きですし、同じ考え方ですね。

異なるのは老齢年金の部分だけです。

オーストラリアも日本と同様に支給額の減額とか支給開始時期の延期の傾向にある

オーストラリアは移民の国ですし、リーマンショックの時でさえGDPはプラス成長を維持するほど強固な経済基盤をもっています。日本のよりは高齢化の速度は緩やかです。

しかし、2050年にはかなり高齢化が進行すると言われており、老齢年金の支給額の見直しとか支給開始条件の見直しもかなり活発に議論されているとのこと。

平均寿命も延びる傾向はどの国でも一緒ですし、政府の年金支出は年々重くなるのは日本と同じです。

一生続けられるライフワークとか自分年金を作るのがベスト

国の制度を利用するのも必要ですけど、このご時世自分年金を作ることはますます重要になってくるのだと思います。

或いは会社に依存せず、いくつになっても稼げるライフワークのようなものをできるだけ早い段階で構築することも後々大きな経済的な支えとなると思います。

自分年金は資産運用しかありません。銀行預金では利子が低すぎるので、株式とか債権への投資が現実的です。

私も株式投資は少し心得がありますので、こつこと地道に配当金狙いの投資を続けており、年間40万円くらいの配当金収入を得られる規模になっています。

資産運用についてはまたおって別の機会で記事にしたいなと思っています。

おわり