アフターコロナの世界。パート①では海外出張がなくなる世界について書きました。
今日はパート②ということで、リモートワーク、つまり在宅勤務の広がりについて書きたいと思います。
今回の疫病は人が集まる場所が主な感染源となることがわかっていますので、通勤はもちろんのこと職場に大勢の人間が集うことが感染リスクを高めてしまいます。
それを防ぐための有効な手段がリモートワークということになりますね。
私のような間接部門で働いている人ばかりでないし、現場で仕事に従事されている例えば接客業やサービス業の方はリモートワークは向いていません。
が、私のような職場に行かなくても業務を回せる人間がいたとして、わざわざ職場に通勤することはその他のどうしても職場に行かなければならない人たちの感染リスクを上げてしまいます。
社会機能を維持していくためにも、リモートワークを積極的に使っていく必要があるのです。
多くのオフィスワーカーが在宅に切り替わったなら、何が起こるでしょうか?少し想像してみましょう。
朝の通勤ラッシュはなくなるでしょう。人の流れが変わるので、仕事終わりのサラリーマンでごった返していた都心の居酒屋は消えるでしょうし夜の接客業もしかりです。
それに伴い都心に集中していた商業施設はよりベッドタウンに分散化されていくものと思われます。
リモートワークを実現するためにはITインフラへの投資(一人一台ノートPCは必須ですし、ネット回線、セキュリティの充実)は必要でしょう。
ですが、その代わりに企業はこれまで普通に負担していた通勤費用や住宅補助を大幅に削減できるというメリットを享受できるはずです。
通勤費用は会社が全額負担するのが普通で、仮に東京と千葉だと1か月の定期代は2万円近くなります。年間24万円の会社負担がほぼゼロにできるというわけです。
特に大企業においては数千人規模の人員を東京本社に集めているので、その効果たるは凄まじいものがありますね。1000人社員がいれば単純に年間2億4千万円の経費節減です。
本社ビルに通勤しなくていいのであれば、何も家賃の高い首都圏にこだわる必要もなくもっと自由に自分で住む場所を決めることができます。
どこに住んでもいい代わりにこれまで負担してきた住宅費用の補助はなくせるはずです。
住宅費の補助は会社によって異なると思いますが、ざっくり家賃の半分を補助と仮定すると東京の家賃相場から考えて月5~6万円くらいになると思います。
年間にすると60万円~72万円になりますから、同じく1000人もの社員がいれば、費用削減メリットは年間6億円~7.2億円という計算になります。
これまでの大企業は東京の一等地に大きな本社ビルを抱え、そこに大量の間接人員を収容するのが一般的でした。
本社ビルに通勤する人数が減るわけですから、これまでのような広いスペースは必要なく、大幅にビルスペースは削減できます。
いや、ひょっとしたらもう本社ビルそのものが不要になるかもしれません。
そうすると本社ビルを売却して、これまで負担していた維持費(空調、清掃、OA機器リース等)も固定資産税もかからなくなりますね。
こうして考えてみると企業経営者にとってもリモートワークへのシフトは絶大な費用カット効果をもたらすことになるため、社会の要請とあいまって今後強力に推し進めていくことになりそうです。
あるいはリモートワークを進める企業が今後生き残り、それに出遅れる企業は淘汰されるということかもしれません。
いずれにせよ、働き方が大きく変わる。それに伴いこれまでの価値観も大きく変わる。そんな気がしています。
おわり